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100歳の少年と12通の手紙。くまのぬいぐるみに託されたもの② [大五郎(ぬいぐるみ)日和]

今回は、映画版の感想です。
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映画版における ぬいぐるみを使った演出が...
本当に素晴らしかったのです。

ラストシーンは、思わず
劇中の登場人物と同調し、言葉にできない...感嘆の声が出てしまいました。

この先はネタバレとなります。

大丈夫な方だけ お読みください。

映画版には 原作には描かれなかったオリジナル要素も多く
それは賛否両論 あるかもしれません。

くまのぬいぐるみ、ベルナールについても
原作以上に その存在を広げてくれていました。

まず、原作では オスカー少年は
自分の養子である くまのぬいぐるみ ベルナールについて

『衣装ダンスの中にいるよ。棚に座っているんだ。』

と 存在を語るだけに留まります。

けれど、映画版では
衣装ダンスの扉を開けて ベルナールを取り出すシーンがあるのです。

そして、それ以降のシーンでは ベルナールは衣装ダンスに仕舞われることはなく
少年の枕元に置かれます。

少年が、心にしまいこんでいた想いを認識し
自分自身と向き合い始めたことが 伝わってきます。

そして、少年が最期を迎えるシーンにも
さりげない風景として ベルナールが写り込んでいます。
やはり、ベルナールは 彼の最期を看取っていました...。

映画版では、原作にはなかった
少年が旅だったその後 のシーンがあります。

少年の両親は、最後の日まで少年と寄り添ってくれたボランティア女性の元に ある贈り物をします。

『あの子が あなたの子供に、と』

という手紙と共に 箱の中に入っていたものは...あの くまのぬいぐるみ。

私は ここで 涙が止まらなくなりました。

今まで 『ただいるだけ』だった ぬいぐるみに
あまりに多くのものが託されているのを感じたからです。

ベルナールは、
オスカー少年そのものであり
オスカー少年の養子でもあり
オスカー少年の遺産でもあり
オスカー少年の魂でもあり...

そして、このぬいぐるみをボランティア女性に、ではなく
『彼女の子供に』贈るという行為は
祖父が孫に示す愛情のようで...。

本当に彼は、110年分の人生を生きたのだと...感じ入るシーンでした。

(ぬいぐるみ だからこそ
ここまで 多くの背景を表現出来たのではないかとも思います。
たった数分の描写で、あとはさりげなく写り込んでいるだけのぬいぐるみ。
けれど、人の心に残る印象は大きいです...)



実はここ最近、ぬいぐるみやパペットセラピーについての文献を読んでいます。
その中で、介護や看取りの現場での ぬいぐるみやパペットの可能性について
考察されている方のレポートもありました。

主に 介護する側から、介護される側へのアプローチとして
ぬいぐるみやパペット達の存在が活かされるのではないか...と。
本当に...私も それらを強く感じています。

更に、こうも思うのです。
実は 『介護される側』から『介護してくださる方』へのケアとして、
ぬいぐるみやパペットの存在は有効なのではないか...って。
(私の場合は、『介護される側』の経験の方が多いので
そっち側の視点になってしまうのです)

いずれ、そういう事を 必要な方へお伝え出来たら良いなぁ...と考え中。。。

私は文章は苦手だし、やっぱり ぬいぐるみ和みかな。。。

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